北海道札幌市にある築50年・8階建て・93戸の分譲マンション「インペリアル札幌」では、
NMRパイプテクター(以下、パイプテクター)を導入した結果、給水管のみならず汚水管・汚雑排水管でも効果が確認されました。
管理組合の資産価値向上委員会の委員長は、
「給水管の延命効果は予想していたが、汚水管や汚雑排水管にも同様の結果が得られたのは驚き」と評価しています。
第三者機関がX線検査を実施 未対策にもかかわらずA評価を獲得
2024年8月、配管の内部状態をより詳細に把握するため、
第三者の専門検査機関に依頼し、多額の費用を投じてX線透過検査を実施されました。
築50年を経過し、これまで特別な腐食対策を行っていなかったにもかかわらず、
今回の検査では5段階中上から2番目にあたる 「A評価」 が下されました。
パイプテクターが設置されている給水管については、
「最大減肉率18.3%」「推定残存寿命20年以上」という結果が示され、
その防錆効果が改めて裏付けられました。
特に注目されたのは、汚水管および汚雑排水管の結果です。
これらの配管は過去に一切の対策を施していなかったにもかかわらず、同様にA評価を取得。
委員長は「パイプテクターを通過した水道水が排水管にもわずかに作用するとは聞いていたが、
ここまで明確な効果が出るとは想定していなかった」と驚きを語っています。
導入の経緯と資産価値向上への取り組み
インペリアル札幌がパイプテクターを導入するきっかけとなったのは、
管理組合を支援する地元NPO法人からの助言でした。
当時のNPO代表が「パイプテクター導入により、長期修繕計画から給水管更新を除外できる」との見解を示したほか、
同法人のネットワーク内でも複数の管理組合が導入を進めていたことが後押しとなり、
約8年前に設置が実現しました。
導入当時、共用部給水管は更新から17年が経過しており、
再更新ではなく延命・更生を選択。
さらに、8年前には窓サッシの断熱改修、6年前には外壁の外断熱改修も実施するなど、
管理組合では「現状維持よりもグレードアップ」を基本方針に、計画的な修繕を進めてきました。
今回のX線透過検査は、そうした一連の取り組みの延長として、
水回り設備の状態を正確に把握するために実施されたもので、
結果として非常に高い評価を得ることとなりました。
高評価を活かし保険料削減へ
管理組合では、今回のA評価をもとに、今後は保険会社との保険料見直し交渉を進める予定です。
従来は「排水管対策が未実施」として査定上のマイナス要因となっていましたが、
今回の検査結果によりプラス評価への転換が見込まれ、
保険料削減という具体的な経済効果も期待されています。

